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「もっといい人がいるかもしれない」その考えが幸せを遠ざける

恋愛や結婚について考えるとき、ふと頭をよぎる「もっといい人がいるんじゃないか」という思い。あなたも一度は感じたことがあるのではないでしょうか。今目の前にいる相手は確かに素敵だけれど、もしかしたら、もっと自分にぴったりな人が、どこかで待っているかもしれない。そんな風に考えてしまうこと、実は決して珍しいことではありません。

でも、この考え方に囚われすぎてしまうと、せっかく目の前にある幸せを見失ってしまうことがあります。気づいたときには手遅れで、後悔だけが残ってしまった、そんな経験をした人たちの声を、私はこれまでたくさん聞いてきました。

今日は、この「もっといい人症候群」とでも呼ぶべき心理パターンについて、一緒に考えていきたいと思います。なぜ私たちはこんな風に考えてしまうのか、そしてどうすれば後悔しない選択ができるのか。あなた自身の恋愛や人生を見つめ直すきっかけになれば嬉しいです。

どうして「もっといい人」を探し続けてしまうのか

現代社会に生きる私たちは、かつてないほど多くの選択肢に囲まれています。スマートフォンを開けば、マッチングアプリには無数のプロフィールが並んでいます。SNSを見れば、友人たちの華やかな恋愛生活が目に飛び込んできます。こうした環境が、私たちに「もっといい人がいるはず」という錯覚を与えているのかもしれません。

でも、選択肢が多ければ多いほど、人は幸せになれるのでしょうか。心理学の研究では、選択肢が多すぎると、かえって決断できなくなったり、選んだ後も「他の選択肢の方が良かったのでは」と後悔しやすくなることが分かっています。まるでメニューが多すぎるレストランで、何を注文したらいいか分からなくなってしまうように。

ある友人が言っていました。「マッチングアプリを使っていると、次から次へと新しい人が現れるから、今会っている人に集中できないんだよね」と。確かに、彼女の話を聞いていると、せっかく良い出会いがあっても、すぐに次の可能性を探し始めてしまう。その繰り返しで、気づけば数年が経っていたそうです。

完璧を求めてしまう心理の罠

「もっといい人がいるかも」と考えてしまう人の多くは、完璧主義的な傾向を持っています。理想のパートナー像が頭の中にくっきりと描かれていて、その理想と現実の相手を細かく比較してしまうのです。

「優しくて、経済力があって、見た目も好みで、価値観も合って、ユーモアのセンスもあって……」リストはどんどん長くなっていきます。でも、考えてみてください。あなた自身は、誰かの完璧なリストをすべて満たしているでしょうか。おそらく、そんなことはないはずです。

人間は誰しも、長所もあれば短所もあります。完璧な人なんて、この世には存在しません。それなのに、相手にだけ完璧を求めてしまうのは、少しフェアではないかもしれませんね。

完璧主義の人は、相手の小さな欠点が気になってしまいます。食事のマナーがちょっと気になる、趣味が自分と違いすぎる、話し方に時々違和感がある。そんな些細なことが、頭から離れなくなってしまうのです。そして「もっと自分に合う人がいるはず」と考え始めます。

でも、ここで立ち止まって考えてみてほしいのです。その「欠点」は、本当にあなたの幸せを損なうほど重要なものでしょうか。もしかしたら、それは単なる「違い」に過ぎないのかもしれません。

自信のなさが生む不安のスパイラル

実は、「もっといい人がいるかも」という思いの背景には、自分自身への自信のなさが隠れていることがあります。「自分はこの人にふさわしいのだろうか」「この人は本当に私のことを好きでいてくれるのだろうか」そんな不安が、逆説的に「もっといい人を探さなきゃ」という焦りを生み出すのです。

自分に自信が持てないと、相手から愛されている実感が持ちにくくなります。すると、常に「もっと良い選択肢があるのでは」と考えることで、自分を守ろうとしてしまうのです。傷つく前に、自分から関係を終わらせてしまう。そんな防衛機制が働いているのかもしれません。

ある女性は、こんな話をしてくれました。「彼はとても優しくて、私のことを大切にしてくれていました。でも、私にはそれが信じられなかったんです。こんな私を、本当に愛してくれるはずがない。きっと、もっと素敵な女性が現れたら、彼は私を選ばないだろう。だったら、私からもっといい人を探した方がいいんじゃないか、って」

結局、彼女は自分から関係を終わらせてしまいました。そして今、その選択を深く後悔しているそうです。

刺激を求める恋愛依存のパターン

恋愛の始まりのドキドキ感、追いかけられる高揚感、新しい人を知るワクワク感。これらは確かに魅力的です。でも、関係が安定してくると、当然ながらこうした刺激は減っていきます。それは自然なことで、むしろ関係が深まっている証拠なのですが、刺激に慣れてしまっている人は、この段階で退屈を感じてしまうのです。

「恋愛の楽しみ方」を知りすぎていると、こうした罠にはまりやすくなります。常に新しい恋、新しいドキドキを求めて、関係が安定する前に次の相手を探し始めてしまう。まるでジェットコースターに乗り続けないと満足できないように。

でも、人生のパートナーとの関係は、ジェットコースターではありません。それは、一緒に歩いていく長い道のりです。時には平坦で、時には困難もあるけれど、共に支え合いながら進んでいく。そんな関係こそが、本当の意味での幸せを運んでくれるのではないでしょうか。

周りの声に振り回されていませんか

「あなたならもっといい人と付き合えるよ」「その人、ちょっと地味じゃない?」「もったいないんじゃない?」

友人や家族からの何気ない一言が、あなたの心に大きな影響を与えることがあります。特に、自分の判断に自信が持てないとき、周りの意見はとても大きく聞こえてしまいます。

でも、あなたの人生を生きるのは、あなた自身です。友人でも家族でもありません。他人が「いい人」だと思う相手が、必ずしもあなたにとっての「いい人」とは限りません。見た目や収入、社会的な地位といった外側から見える条件だけで、人の価値は測れないはずです。

大切なのは、あなたがその人といて、どう感じるか。あなたの心は、どう反応しているか。周りの声に耳を傾けることも時には必要ですが、最終的には自分の心の声を信じることが大切です。

後悔した人たちの共通点

これまでたくさんの人の話を聞いてきて、「もっといい人がいるかも」という考えで関係を終わらせ、後悔している人たちには、いくつかの共通点があることに気づきました。

まず、彼女たちは「失ってから気づく」パターンが多いということ。当たり前のように受け取っていた相手の優しさ、安心感、一緒にいる時の心地よさ。それらの価値に、別れてから初めて気づくのです。

新しい恋愛を始めても、前の相手と比較してしまう。「あの人は、こんな時こうしてくれたな」「あの人との方が、話していて楽だったな」そんな風に、過去を美化してしまうのです。

また、年齢を重ねるごとに、理想と現実のギャップに苦しむようになる人も多くいます。20代では「まだまだ時間はある」と思えていたことが、30代、40代と年齢が上がるにつれて、焦りと不安に変わっていきます。

ある女性は言いました。「30歳の時に別れた彼は、今思えば本当に良い人だった。当時は『もっとカッコいい人』『もっとワクワクする恋愛』を求めていたけれど、今になって分かるのは、彼が提供してくれていた『平凡な幸せ』こそが、本当に価値のあるものだったということ」

比較ばかりしていた人の末路

複数の人と同時に連絡を取り合い、常に比較ばかりしていた女性の話も印象的でした。「Aさんは優しいけれど経済力が不安。Bさんは稼いでいるけれど、あまり会えない。Cさんは見た目は好みだけど、価値観が合わない」

彼女は、それぞれの相手の良いところだけを取り出して、理想の人を頭の中で組み立てていました。でも、現実の人間は、パズルのピースのように組み合わせられるものではありません。

結局、どの男性も彼女の本気度の低さに気づき、去っていきました。選び続けた結果、誰も残らなかった。そんな状況に、彼女は深い後悔を感じているそうです。

「あの時、誰か一人に決めていれば」「あの時、目の前の人を大切にしていれば」そんな後悔は、時間を巻き戻せない以上、とても辛いものです。

では、どうすれば後悔しない選択ができるのか

ここまで読んで、少し不安になった方もいるかもしれませんね。「自分も同じような考え方をしているかもしれない」と。でも、大丈夫です。気づいた今から、考え方を変えていくことができるのですから。

まず、理解してほしいことがあります。完璧な人は、この世に存在しません。映画やドラマに出てくるような理想の相手は、フィクションの世界の住人です。現実の人間関係は、もっと複雑で、もっと深くて、そしてもっと美しいものです。

相手の欠点が気になった時、こう考えてみてください。「この人の短所は、私の幸せを本質的に脅かすものだろうか?」多くの場合、答えはノーのはずです。食事の好みが違う、趣味が合わない、そんなことは、本当の幸せの障害にはなりません。

むしろ大切なのは、「この人は、私を尊重してくれるか」「困った時に支え合えるか」「一緒にいて、自分らしくいられるか」といった、関係性の本質的な部分です。

自分にとって何が本当に大切なのか

あなたが恋愛や結婚において、本当に大切にしたいことは何でしょうか。少し時間を取って、ゆっくり考えてみてください。

見た目の魅力でしょうか。経済力でしょうか。それとも、一緒にいる時の安心感でしょうか。笑いが絶えない関係でしょうか。お互いを尊敬し合えることでしょうか。

条件のリストを作るのではなく、自分の核となる価値観を明確にすることが大切です。そうすることで、表面的な魅力に惑わされにくくなります。

例えば、あなたにとって一番大切なのが「安心感」だとします。それなら、どんなにカッコよくても、あなたを不安にさせる相手は、あなたにとっての「いい人」ではないということです。反対に、見た目は地味でも、あなたに深い安心感を与えてくれる人こそが、あなたにとっての「最適な人」なのです。

決断することの意味

人生は選択の連続です。そして、何かを選ぶということは、同時に何かを選ばないということでもあります。これは避けられない事実です。

一つの関係にコミットするということは、他の可能性を断つことを意味します。それを怖いと感じるかもしれません。でも、考えてみてください。すべての可能性を残したまま、深い関係を築くことはできるでしょうか。

決断することを恐れていては、いつまでも表面的な関係の中をさまよい続けることになります。深い絆、本当の信頼関係は、お互いにコミットし、時間をかけて育てていくものです。

「選ばなかった道」について考えることがあっても、それは自然なことです。大切なのは、選んだ道を後悔するのではなく、選んだ道を最高のものにしていく努力をすることです。

感謝の心が関係を深める

人間関係において、「当たり前」ほど危険なものはありません。毎日一緒にいることが当たり前、優しくしてもらうことが当たり前、支えてもらうことが当たり前。そんな風に感じ始めたら、要注意です。

相手の良いところ、してくれていることに、意識的に目を向けてみてください。毎日、一つでもいいので、相手に感謝できることを見つける習慣をつけてみましょう。

「今日も仕事の愚痴を聞いてくれた」「疲れているのに、笑顔で迎えてくれた」「さりげなく好きな食べ物を覚えていてくれた」小さなことでいいのです。

感謝の気持ちを持つことで、相手の価値が見えてきます。そして、「この人を大切にしたい」という気持ちが自然と湧いてくるはずです。

未来を一緒に描けるかどうか

恋愛は、今この瞬間のドキドキも大切ですが、それだけではありません。特に結婚を考えるなら、未来を一緒に描けるかどうかが重要になってきます。

「この人となら、困難な時も乗り越えていけるだろうか」「将来のビジョンを共有できるだろうか」「歳を重ねても、一緒にいたいと思えるだろうか」

こうした問いかけは、現在の感情だけでなく、長期的な視点を持つことを助けてくれます。恋愛の熱量は、時間とともに変化していきます。でも、パートナーシップの根幹にある信頼と協力は、むしろ時間とともに深まっていくものです。

相手との会話の中で、将来について話してみてください。お互いの夢や目標、大切にしたい価値観について語り合ってみてください。そこで感じる共感や、一緒に未来を創っていけそうだという感覚こそが、長続きする関係の基礎となります。

「もっといい人」という幻想を手放す勇気

「もっといい人がいるかもしれない」という考えは、ある意味で、現実から逃げる言い訳になっているかもしれません。目の前の関係に真剣に向き合うこと、一人の人を選び、その関係を育てていくこと。それには勇気が必要です。

でも、その勇気を持てたとき、あなたは本当の意味での深い関係を経験できるようになります。表面的な魅力ではなく、時間をかけて育まれる絆の強さを知ることができます。

「もっといい人」という幻想は、永遠に追いかけ続けることができます。でも、その追跡の先に幸せはあるでしょうか。むしろ、目の前にある確かな幸せを大切に育てることの方が、ずっと豊かな人生を運んでくれるのではないでしょうか。

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