人って本当に不思議な生き物だと思いませんか。友人として付き合っている時は気づかなかったのに、恋愛関係になった途端、相手の思いもよらない一面が見えてくることがあります。特に印象に残っているのは、いわゆる「二面性がある人」との関係です。
最初はその魅力に惹かれ、深く関わっていくうちに混乱し、最終的には心の奥底で感じていた違和感の正体を理解するまでの過程。今振り返ってみると、あの経験は私にとって人間の複雑さを学ぶ貴重な機会だったのかもしれません。
でも正直に言うと、当時はかなり疲れました。相手の「本当の姿」がわからないまま関係を続けることの難しさ、そして自分自身も混乱してしまう感覚。同じような経験をされた方もいるのではないでしょうか。
今回は、二面性がある人の特徴と、そんな人との恋愛で実際に体験した複雑な感情について、できる限りリアルにお話ししてみたいと思います。もしかしたら、あなたの周りにもそういう人がいるかもしれませんね。
最初に魅力を感じてしまう理由
二面性がある人って、不思議なことに最初はとても魅力的に映ることが多いんです。なぜなら、彼らは状況に応じて最適な自分を演出するのがとても上手だから。初対面や人前では、本当に完璧に近い振る舞いを見せてくれるんですよね。
私が以前お付き合いした彼も、まさにそんな人でした。共通の友人の紹介で知り合った時、彼は本当に魅力的でした。会話は面白いし、気配りは行き届いているし、見た目もおしゃれで素敵。周りの人たちからも「いい人だね」「羨ましい」なんて言われて、私も鼻が高かったものです。
その時の私は、彼の「人前での顔」しか知らなかったんです。丁寧で優しくて、ちょっとしたユーモアもあって。でも今思えば、その完璧さにもう少し疑問を持つべきだったのかもしれません。人間ってそんなに完璧になれるものなのかな、って。
最初のデートでも、彼は本当に紳士的でした。時間にはきっちり来る、お店の選び方もセンスが良い、店員さんへの対応も丁寧。私の話もよく聞いてくれるし、適度に自分の話もしてくれる。理想的な男性像そのものでした。
でもね、人間関係が深くなってくると、どうしても相手の素の部分が見えてくるものです。そして彼の場合、その「素の部分」と「人前での顔」の差があまりにも大きかったんです。
日常で見えてきた別の顔
付き合い始めて数か月経った頃、彼の別の一面が少しずつ見え始めました。最初に気づいたのは、私たち二人だけでいる時の態度の変化でした。
例えば、人前では私に対してとても優しくて思いやりのある態度を見せてくれるのに、家で二人きりの時は驚くほど自己中心的になるんです。私が疲れて帰ってきても「お疲れさま」の一言もなく、自分の話ばかり。私が何か提案しても「面倒くさい」の一言で片付けられてしまう。
この変化に最初は戸惑いました。人前の彼がとても魅力的だっただけに、「あれ、こんな人だったっけ?」という疑問が頭をよぎることが増えていったんです。でも当時の私は、「きっと私に心を許してくれているんだ」「素の自分を見せてくれているんだ」と、都合よく解釈していました。
今思えば、それは甘い考えだったのかもしれません。確かに親しくなれば素の部分を見せ合うのは自然なことです。でも彼の場合、その「素」があまりにも人前での姿とかけ離れていたんです。まるで別人のようでした。
特に印象に残っているのは、ある日のことです。友人たちとのパーティーでは、私のことを「最高のパートナー」と紹介してくれて、他の人たちにも私を褒めちぎってくれました。でも家に帰ると、「今日はもう疲れたから」と言って、一人でゲームを始めてしまったんです。私の存在なんてまるでないかのように。
その時初めて、「あの外での優しさは、本当に私への愛情だったのだろうか」という疑問が頭に浮かんだのを覚えています。
言葉と行動の矛盾に困惑する日々
二面性がある人との関係で最も困ったのは、言っていることと実際の行動が全く違うことでした。彼はよく「君は独立した女性だから魅力的なんだ」と言ってくれていました。私が仕事に打ち込んでいることや、自分の趣味を大切にしていることを評価してくれているのだと思っていました。
ところが実際は全く違いました。私が残業で遅くなると不機嫌になり、友人との約束があると「また俺を後回しか」と嫌味を言う。趣味のサークル活動に参加すると「そんなに俺といるのが退屈なのか」と拗ねてしまう。
彼の「言っていること」を信じて行動すると、彼の「本音」からは批判される。この矛盾にどう対応していいのかわからなくて、だんだん自分の行動に自信が持てなくなってしまいました。
ある時、思い切って彼にこの矛盾について話してみたことがあります。「いつも独立した女性がいいって言ってくれるのに、実際に独立的な行動を取ると嫌がるのはなぜ?」と。
すると彼は、まるで何の矛盾もないかのように答えました。「そうは言っても、俺のことも大切にしてほしいじゃないか。君が他のことばかり優先していると、寂しく感じるんだよ」と。
その時は「そうか、愛情の表現の仕方が違うだけなんだ」と納得しようとしました。でも今思えば、それは彼が自分の矛盾を正当化しているだけだったのかもしれません。本当に相手を尊重しているなら、相手の価値観を否定するような行動は取らないはずですから。
SNSと現実のギャップ
現代の恋愛において、SNSでの振る舞いと現実のギャップも大きな問題の一つですよね。彼もまさにその典型例でした。
彼のSNSを見ていると、本当に幸せそうなカップルの投稿ばかりでした。私たちのデート写真に、愛情たっぷりのコメントを添えて投稿してくれる。「世界で一番大切な人」「毎日が幸せ」といった言葉を惜しげもなく使ってくれていました。
友人たちからも「素敵な彼氏だね」「うらやましい」とコメントをもらうことが多くて、私自身もSNS上の彼を見て「私たちって本当に幸せなカップルなんだ」と思い込んでいたところがあります。
でも現実は違いました。彼と一緒にいる時間の大半は、彼がスマートフォンをいじっている時間でした。私が話しかけても上の空で、「うん、うん」と生返事ばかり。映画を見に行っても、途中で携帯をチェックし始める始末。
「なんでSNSではあんなに愛情表現してくれるのに、実際は無関心なんだろう」と思っていました。後で気づいたのは、SNSでの投稿は他人に向けたパフォーマンスだったということです。「幸せなカップル」という評価を得ることが目的で、私個人への愛情とは別物だったんです。
ある日、思い切って「SNSの投稿と普段の態度が違いすぎない?」と聞いてみました。すると彼は「そんなことない。愛しているからこそ、みんなに自慢したいんじゃないか」と答えました。でも私が求めていたのは、SNSでの自慢ではなく、日常での関心や愛情だったんです。
この経験を通して、SNSでの情報発信と実際の人間関係は全く別物だということを学びました。外向けのアピールばかり上手で、実際の関係性の構築は苦手な人もいるということも。
感情の波に振り回される疲労感
二面性がある人との恋愛で最も疲れるのは、相手の感情の起伏の激しさかもしれません。昨日まで愛情たっぷりだったのに、今日は急に冷たくなる。理由を聞いても明確な答えがない。そんな状況が続くと、こちらも精神的に不安定になってしまいます。
彼の場合、その変化があまりにも唐突でした。例えば、一週間前には「君と結婚したい」「一生一緒にいたい」と言っていたのに、次に会った時には「最近、少し距離を置きたい」と言い出す。何か私に非があったのかと必死に考えても、心当たりがない。
そんな時の彼は、まるで私が見知らぬ人であるかのような態度を取るんです。冷たいというより、無関心。私の存在自体が眼中にないような感じでした。
「一体何があったの?」と聞いても、「別に何もない」「考えすぎだよ」という答えしか返ってこない。でも明らかに態度は変わっているし、以前のような親密さは感じられない。この曖昧さが本当に辛くて、自分が悪いのではないかと自己嫌悪に陥ることも多かったです。
そしてしばらくすると、また以前のような優しい彼に戻る。「最近、仕事が忙しくてイライラしていた」「君には当たってしまって申し訳ない」と謝ってくれる。その時の彼は本当に反省しているように見えるし、私も「ああ、やっぱり私のことを大切に思ってくれていたんだ」と安心してしまう。
でもその安心も長くは続かなくて、しばらくするとまた同じような冷たい態度に戻ってしまう。この繰り返しに、だんだん疲れ果ててしまいました。
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